マンチェスター・ユナイテッドが12億9000万ポンドを超える巨額債務の一部を借り換え、新たに5億5000万ドル(約410億円)の資金調達に合意した。クラブの財政立て直しが進む一方で、金利コストの大幅な上昇という新たな負担も明らかになっている。
5億5000万ドル借り換え:金利3.79%から5.36%へ
背景: ユナイテッドは2027年6月25日に償還期限を迎える4億2500万ドル(約317億円)分の債券を抱えていた。クラブの財務担当者は12か月以上にわたって借り換え交渉を続け、このほど新条件での合意に至った。
今回の新たな借り入れ額は5億5000万ドルで、旧債務の返済に加えて追加の財務余力も確保する内容だ。しかし最大の問題は金利の跳ね上がりで、旧条件の3.79%から5.36%へと約1.57ポイントの上昇となった (BBC Sport)。
クラブ側は調達資金の用途について、旧債務の元本・未払い利息の清算および「一般的な事業目的」に充てると説明している。2026年3月末時点の第3四半期決算では、直近3か月の純金融コストが2030万ポンド、過去9か月では5570万ポンドに達しており、その一因として為替の不利な変動が挙げられている。
グレイザー買収以来の利息支払い総額:8億5200万ポンド
累積コストの重さ: フットボール財務分析の権威であるスイス・ランブル(Swiss Ramble)が2025年9月に試算したところによると、グレイザー一族が2005年にレバレッジド・バイアウトを完了して以来、ユナイテッドが支払った利息の総額は8億5200万ポンドにのぼるという (BBC Sport)。
今回の借り換えによって金利負担がさらに増加することは避けられず、クラブが競争力ある補強予算を確保するうえでの足かせとなり続ける可能性がある。昨年末時点でのクラブの総債務残高は12億9000万ポンドと報告されており、プレミアリーグのクラブとして突出した水準だ。
解任されたアモリムへの1670万ポンド支払いと経営再建の進捗
財務の課題が山積するなか、クラブは別のコスト負担も抱えている。Sky Sportsの報道によると、今季限りで解任されたルベン・アモリム前監督への違約金が1670万ポンドに達することが最新の財務報告書で明らかになっている (Sky Sports)。
一方で、クラブCEOのオマール・ベラダは最近の財務成績に前向きな姿勢を示している。人員削減プログラムの効果が収益の落ち込みを補い、利益面では改善が見られるとの見方だ。ベラダは内部改革の成果を評価しつつ、クラブが正しい方向に向かっていると強調している。
今節のポイント
マンチェスター・ユナイテッドの財務状況は、グレイザー体制下から続く構造的な問題の根深さを改めて浮き彫りにした。5億5000万ドルの借り換え自体は2027年の債務償還リスクを回避する意味で不可欠な措置だったが、金利の上昇はクラブの資金繰りをさらに圧迫する。アモリム前監督への1670万ポンドの違約金支払いも重なり、ピッチ内の再建と並行して財務面の正常化を実現するには、まだ長い道のりが待ち受けている。
情報源
- Man Utd hit by huge interest hike after $550m debt renegotiation – BBC Sport
- Man Utd: Financial report reveals £16.7m payout to sacked Ruben Amorim but reflects positive progress – Sky Sports
- Man Utd financial results: Club seeing benefits of redundancy programme as profits rise despite fall in revenues – Sky Sports