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プレミアリーグ 無敗記録の歴史:アーセナル49戦、リバプール44戦の全貌

2026.08.08

プレミアリーグの歴史において、「負けない」という偉業を成し遂げたクラブはわずか一握りに過ぎない。アーセナルが打ち立てた49試合無敗という金字塔をはじめ、チェルシー、リバプールといった名門クラブが紡いできた連勝・無敗の記録は、単なる数字を超えてサッカー史に刻まれた伝説だ。2026-27シーズン開幕を前に、これらの歴史的偉業を改めて振り返り、その本質に迫る。


アーセナルの不滅の記録:49試合無敗

プレミアリーグにおける無敗記録の頂点に君臨するのは、アーセナルが達成した49試合無敗だ。この記録は2003-04シーズン全試合を含む規格外の偉業であり、同シーズンのアーセナルは「インビンシブルズ(無敵艦隊)」と称された。チェルシーも2004年10月から2005年11月にかけて、1年を超える長期無敗記録を達成しており、プレミアリーグ史上、1年以上負けなかったクラブはアーセナル、チェルシー、そしてリバプールの3クラブのみだ。(BBC Sport)

この記録がいかに突出しているかは、その後の各クラブの記録と比較すれば明らかだ。リバプールが2020年2月に記録を終えた時点で44試合。あと5試合で歴史的な大記録に並ぶことができたが、ウォトフォードに3-0で完敗し、永遠に届かなかった。アーセナルの49という数字は、プレミアリーグがいかに過酷なリーグであるかを考えると、おそらく今後も長く破られることのない記録として残り続けるだろう。


リバプールの44試合無敗:422日間の無敗旅

ユルゲン・クロップ(当時監督)率いたリバプールは、2019年1月3日にマンチェスター・シティに1-2で敗れてから実に422日間、プレミアリーグで負けなかった。この期間に記録した44試合無敗の内訳は39勝5分という圧倒的なもので、試合当たり平均獲得ポイントは2.77という驚異的な数字だった。(BBC Sport)

44試合無敗の間に積み上げた総得点は104ゴール。そのうちモハメド・モハメド・サラー(24ゴール)、サディオ・マネ(27ゴール)、ロベルト・フィルミーノ(12ゴール)の3人だけで全ゴールの60%を占めた。アシスト面ではトレント・アレクサンダー=アーノルドが21、アンドルー・ロバートソンが14を記録し、攻撃的なサイドバックの機能美が無敗を支えた構造的な柱だった。(BBC Sport)

2020年1月2日の時点では、リバプールは37試合無敗で「1年無敗」というマイルストーンにも到達。この時点ですでに101ポイントを積み上げており、リーグ2位のレスター・シティに13ポイント差をつける独走態勢を築いていた。(BBC Sport)


マンチェスター・シティの18連勝記録

リバプールの無敗記録の中で特筆すべきは、連勝記録との交差だ。マンチェスター・シティが2017-18シーズンに樹立した18連勝というプレミアリーグ記録を、リバプールは2019-20シーズンに並ぼうとしていた。しかし2019年10月のオールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド戦で1-1と引き分け、記録は17連勝でストップ。その後は勝利を積み重ねて最終的に18連勝でシティの記録に並んだが、ウォトフォード戦の敗戦で連勝記録も終止符を打った。(BBC Sport)

マンチェスター・シティが2017-18シーズンに記録した100ポイントという最多勝ち点を達成した際の試合当たりポイントは2.63。それを上回る2.77という数字でリバプールが無敗期間を過ごしていたことは、いかにその時代のリバプールが支配的だったかを物語っている。(BBC Sport)


戦術的考察

プレミアリーグ史上の無敗・連勝記録を振り返ると、共通する戦術的なDNAが浮かび上がる。アーセナルのインビンシブルズは流動的なポジショニングと高いテクニカルスキルを武器にした組織的なサッカーで、チェルシーはジョゼ・モウリーニョ(当時監督)の下での強固な守備組織とカウンターで記録を打ち立てた。リバプールはクロップの「ゲーゲンプレス」が真骨頂であり、高強度プレスによって相手のビルドアップを封じ、素早い奪球からモハメド・サラー・マネ・フィルミーノのトライデントへとつなぐ攻撃が機能した。

特にリバプールの44試合無敗を戦術的に分析すると、前線3人が攻守両面で献身的に機能していたことが際立つ。モハメド・サラー・マネ・フィルミーノの3人だけで104ゴール中63ゴールを記録しながら、同時にプレスの起点としても機能した。さらにトレント・アレクサンダー=アーノルドとロバートソンという攻撃的サイドバックが合計35アシストを提供し、プレミアリーグのサイドバック像を根本から変革したと言える。

こうした記録が示すのは、長期無敗には「個人のエリート技術」だけでなく「システムの一貫性」と「全選手の役割理解」が不可欠だということだ。どんな相手でも同じ原則で戦い続けられるクラブだけが、長期間の無敗を実現できる。


数字で読む

プレミアリーグ主要無敗・連勝記録の比較:

| クラブ | 記録の種類 | 試合数 | 期間 |

|——–|———–|——–|——|

| アーセナル | 無敗記録 | 49試合 | 2003〜2004年(1シーズン全試合含む) |

| チェルシー | 1年以上無敗 | 未詳(1年超) | 2004年10月〜2005年11月 |

| リバプール | 無敗記録 | 44試合 | 2019年1月〜2020年2月(422日間) |

| マンチェスター・シティ | 連勝記録 | 18連勝 | 2017-18シーズン |

| リバプール | 連勝記録(タイ) | 18連勝 | 2019-20シーズン |

リバプールの44試合無敗期間中の数字:

  • 勝率:39勝5分(勝ちまたは引き分けが100%)
  • 試合当たり平均ポイント:2.77(シティの100点時の2.63を上回る)
  • 総得点:104ゴール(37試合時点では89ゴール)
  • トップスコアラー:マネ27、モハメド・サラー24、フィルミーノ12
  • トップアシスト:トレント21、ロバートソン14

(BBC Sport) / (BBC Sport)


編集部の見解

アーセナルの49試合無敗は、プレミアリーグが今後いかに発展しても破られることのない絶対的な記録だ。現代サッカーはより分析が進み、ビッグ6の間の実力差は縮まり続けている。さらにCLや国際大会のスケジュールが過密化した現在、1シーズン全試合を含む形で49試合無敗を達成することは事実上不可能に近い。

リバプールの44試合無敗も、モハメド・サラー・マネ・フィルミーノという一時代の傑出した3トップが完全にシステムと融合した奇跡的な産物だ。このような「スター選手×戦術的一貫性×運」の三拍子が長期間揃い続けることは、現代の移籍市場やシーズンの長さを考慮すると極めてまれだ。

2026-27シーズンの新体制各クラブを見ても、これらの記録に迫れる陣容を持つクラブはまだ見当たらない。現代プレミアリーグにおいて10連勝でも驚異的な偉業とされる現実を踏まえると、アーセナルのインビンシブルズとリバプールの422日間は、単なる数字ではなく、そのクラブが到達した「完成形」の証明として語り継がれるべきだ。


今後の注目点

2026-27シーズンの開幕を迎えた今、各クラブの新体制が歴史的記録にどこまで迫れるかが注目点となる。マイケル・キャリック監督下のマンチェスター・ユナイテッド、アンドニ・アンドニ・イラオラ監督のリバプール、ザビ・アロンソ監督(表記:Xabi Alonso)のチェルシーなど、2025-26シーズンからの新体制が2年目を迎え、戦術的な成熟がどこまで進むかが鍵だ。

特に注目すべきは、開幕から連勝を続けるクラブが現れるかどうかだ。マンチェスター・シティの18連勝に象徴されるように、序盤の勢いがそのままシーズンを通じた記録に発展することがある。2026-27シーズン第1節から第10節にかけて無敗を維持するクラブが複数現れた場合、そのうちのどれが持続可能な体制を持っているかを見極めることが、今シーズン最大の戦術的・歴史的な見どころとなる。

また、アーセナルの49試合という記録に近い無敗記録が出現するとすれば、一つの鍵は「守備の安定性」だ。ミケル・アルテタ監督(情報基本に従い現アーセナル監督)のチームが近年示してきた守備組織の強さは、記録への挑戦権を持つ数少ない候補の一つだ。


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編集部 Editorial

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編集長 · 戦術担当