プレミアリーグのアシスト記録は、時代ごとのトップクリエイターを知るうえで欠かせないリファレンスデータだ。単シーズンの活躍から通算記録まで、どの選手がいつ・どれだけチームメイトをお膳立てしてきたかが一目でわかる。本記事では、ソースから確認できたシーズン別アシスト王と通算上位記録をまとめた。なお、掲載データは各ソースの報告時点のものであり、現在の数値とは異なる場合がある。
シーズン別アシスト王一覧(確認済み)
1999-00シーズン(Transfermarkt調べ)
| 順位 | 選手名 | クラブ | アシスト数 |
|——|——–|——–|———–|
| 1 | デイビッド・ベッカム | マンチェスター・ユナイテッド | 16 |
| 2 | ノルベルト・ソラーノ | ニューカッスル | 14 |
| 3 | ライアン・ギグス | マンチェスター・ユナイテッド | 13 |
| 4 | トレバー・シンクレア | ウェストハム | 10 |
| 5 | デニス・ベルカンプ | アーセナル | 9 |
| 5 | マルク・オーフェルマルス | アーセナル | 9 |
| 7 | パオロ・ディ・カニオ | ウェストハム | 8 |
| 7 | ティエリ・アンリ | アーセナル | 8 |
| 7 | ポール・マーソン | アストン・ビラ | 8 |
| 10 | エマニュエル・プティ | アーセナル | 7 |
| 10 | オーレ・グンナー・スールシャール | マンチェスター・ユナイテッド | 7 |
- デイビッド・ベッカム(16アシスト):マンチェスター・ユナイテッドの右サイドから31試合でリーグトップの16アシストをマーク。精密なクロスと右足フリーキックで圧倒的な数字を残した。
- ノルベルト・ソラーノ(14アシスト):ペルー代表のウィンガーがニューカッスルで存在感を発揮。30試合で14アシストを記録し、ベッカムに次ぐ2位となった。
- ライアン・ギグス(13アシスト):ウェールズの左サイドの雄がユナイテッドでもう一人の「創造者」として機能。30試合で13アシストを積み上げた。
- ティエリ・アンリ(8アシスト):この時点ではまだプレミアリーグ1年目(22歳)。得点だけでなくアシストでもすでにトップクラスの数字を残したことが、その後の大活躍を予感させた。
2014-15シーズン(Transfermarkt調べ)
| 順位 | 選手名 | クラブ | アシスト数 |
|——|——–|——–|———–|
| 1 | セスク・ファブレガス | チェルシー | 18 |
| 2 | サンティ・カソルラ | アーセナル | 11 |
| 3 | アンヘル・ディ・マリア | マンチェスター・ユナイテッド | 10 |
| 3 | ダビド・シルバ | マンチェスター・シティ | 10 |
| 3 | ギルフィ・シグルズソン | スウォンジー | 10 |
| 3 | クリス・ブラント | ウェスト・ブロムウィッチ | 10 |
| 3 | エデン・アザール | チェルシー | 10 |
| 8 | レイトン・ベインズ | エバートン | 9 |
| 8 | ジョーダン・ヘンダーソン | リバプール | 9 |
| 10 | マット・フィリップス | QPR | 8 |
| 10 | オスカル | チェルシー | 8 |
- セスク・ファブレガス(18アシスト):チェルシーに加入した1年目に驚異の18アシストを記録し、単シーズンのプレミアリーグ最多アシスト記録に並ぶ歴史的な数値を達成。34試合でのパフォーマンスはリーグの歴史に刻まれている。
- ダビド・シルバ(10アシスト):マンチェスター・シティのマエストロとして安定した供給を続け、この年も上位に食い込んだ。通算では後年93アシストを達成し、プレミアリーグ歴代7位タイに並ぶ。
- エデン・アザール(10アシスト):ベルギー代表の司令塔がゴールとアシストの両面でチェルシーをけん引。38試合に出場してシーズンを通じてフル稼働した。
プレミアリーグ通算アシスト記録(上位)
プレミアリーグ公式サイトの報道から確認できる通算アシスト上位記録は以下のとおり。
| 順位 | 選手名 | 通算アシスト数 |
|——|——–|————–|
| 1 | ライアン・ギグス | 162 |
| 情報なし | (2位〜5位) | 情報なし |
| 6 | デニス・ベルカンプ | 94 |
| 7(タイ) | ダビド・シルバ | 93 |
| 7(タイ) | モハメド・モハメド・サラー | 93※ |
※モハメド・サラーの93アシストはプレミアリーグが2026年2月11日に報告した時点の数値。以降も継続してキャリアを重ねているため、現在の数値は異なる可能性がある。
- ライアン・ギグス(162アシスト):プレミアリーグ史上最多アシストの不滅の金字塔。マンチェスター・ユナイテッド一筋でキャリアを全うしたウェールズの至宝が、他の追随を許さぬ162という数字を残している。
- デニス・ベルカンプ(94アシスト):ゴールだけでなくパスの達人としても名を轟かせたオランダの巨人。1999-00シーズンにもトップ5に名を連ねた通り、アーセナルで長期にわたって高い創造性を示した。
- モハメド・モハメド・サラー(93アシスト・2026年2月時点):得点者としての印象が強いリバプールのエジプト代表FWだが、通算アシストでもシルバと並びプレミアリーグ歴代7位タイに到達。スティーブン・ジェラードのリバプールでの通算アシスト数(92)も上回った。
ディフェンダー部門:プレミアリーグ通算アシスト記録
攻撃参加が評価される時代に、サイドバックのアシスト記録も注目を集める。
| 順位 | 選手名 | 通算アシスト数(DF限定) |
|——|——–|————————|
| 1 | トレント・アレクサンダー=アーノルド | 58以上※ |
| 2 | アンドルー・ロバートソン | 57 |
| 3 | レイトン・ベインズ | 53 |
| 4 | グレアム・ル・ソー | 44 |
| 5 | アントニオ・バレンシア | 39 |
※2024年2月10日時点の公式発表では58アシストと記録され、以降もキャリアを継続しているため現在の数値は変動している可能性がある。
- トレント・アレクサンダー=アーノルド(58アシスト以上):2024年2月のバーンリー戦でコーナーキックからのアシストを決め、チームメイトのアンドルー・ロバートソンを抜いてDFとして史上最多記録を更新。プレミアリーグ公式が「守備者によるアシスト記録」として特別に取り上げた。
- アンドルー・ロバートソン(57アシスト):スコットランド代表の攻撃的な左サイドバックとして長くリバプールをけん引。アレクサンダー=アーノルドに僅差で抜かれるまで記録を保持していた。
- レイトン・ベインズ(53アシスト):エバートンで長く活躍した左サイドバック。14-15シーズンにも9アシストでランキング上位に入っており、DF部門では歴代3位の記録を持つ。
編集部の見解
ソースから浮かび上がる最大の特徴は、アシスト王の顔ぶれが「クリエイティブ・ミッドフィルダーの時代」から「多機能フォワードとモダン・フルバックの時代」へと明確にシフトしている点だ。1999-00シーズンのトップ3はベッカム・ソラーノ・ギグスという純粋なウィンガー・サイドハーフ型の選手が占めたが、2014-15シーズンには中央でゲームを作るインサイドMFのファブレガスが単独トップに立った。また通算記録では、ウイングFWのモハメド・サラーが93アシストでダビド・シルバと並んでいるという事実が、現代サッカーにおける前線選手の「二刀流」化を象徴している。ディフェンダー部門では、アレクサンダー=アーノルドとロバートソンというリバプールの両サイドバックが1位・2位を独占している構図も印象的だ。これは2010年代後半以降のリバプールが、サイドバックをチームの攻撃エンジンとして設計していたことの証左といえる。通算最多のギグス(162)との差を考えると、モハメド・サラーやアレクサンダー=アーノルドが記録更新に近づくには、まだ相当なキャリアの積み重ねが必要だが、その道のりを追う楽しみもプレミアリーグ観戦の醍醐味である。
情報源
- Premier League – Most assists 99/00 – Transfermarkt
- Premier League – Most assists 14/15 – Transfermarkt
- Alexander-Arnold sets record for defenders’ Premier League assists – Premier League公式
- Salah moves joint-seventh for Premier League assists – Premier League公式