イタリアのコモが、クラブ史上初のUEFAチャンピオンズリーグ舞台でいきなり強烈な印象を残した。監督セスク・ファブレガスが指揮するコモはホーム・スタディオ・シニガーリアにRBライプツィヒを迎え、終始主導権を握って試合を支配。ここ数年でセリエDから欧州最高峰の舞台まで駆け上がったクラブの物語に、新たな伝説の1ページが刻まれた。(ESPN)
コモ vs RBライプツィヒ(UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ第1節)

Steffen Prößdorf / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)
会場: スタディオ・シニガーリア(コモ、イタリア) 観客数: 10,198人
試合の流れ: コモはキックオフ直後から積極的な姿勢を見せ、前半15分にマルティン・バトゥリナが近距離から冷静に押し込んで先制。試合終盤が見えてきた前半38分には、アナスタシオス・ドゥビカスが追加点を奪い、前半を2-0で折り返した。後半に入ったライプツィヒは反撃を試みたが、54分にアサン・ディアオが3点目を決めて試合の帰趨はほぼ決した。58分にRBライプツィヒのアンドリヤ・マクシモビッチが1点を返して一瞬盛り上がりを見せたものの、コモはコントロールを失わず、最終的に90分にマクシモ・ペロネが試合を締めくくる4点目を決めた。(ESPN)
コモのフォーメーション: 4-2-3-1
ライプツィヒのフォーメーション: 4-4-2
得点:
- コモ:バトゥリナ(15分)、ドゥビカス(38分)、ディアオ(54分)、ペロネ(90分)
- ライプツィヒ:マクシモビッチ(58分)
注目の選手: ニコ・パスはシュート数リーダーとなり2アシストを記録。ヤン・クトは右サイドバックとして安定感を発揮。ライプツィヒ側ではクリストファー・ンクンクが先発するも60分で交代。
戦術的考察

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コモが採用した4-2-3-1は、ファブレガス監督のフィロソフィーが色濃く反映されたシステムだ。ダブルボランチにルイス・ミジャを配置して中盤の守備的なバランスを保ちながら、ニコ・パスをトップ下に据えることで創造性と起点を確保した。トレボー・チャロバーが最も正確なパスを記録(64本)したことからも分かる通り、最終ラインからのビルドアップを意識した構造的なゲームプランが機能した。
対してライプツィヒの4-4-2は、ンクンクとマルク・ギウの2トップに頼る形だったが、コモの中盤が中央のスペースを埋め続けたことで前半は効果的な崩しがほぼ皆無。ライプツィヒは60分に3枚同時交代を実施したが、1点を返したにすぎず流れを変えるには至らなかった。コモはチャンピオンズリーグの舞台においても、相手の攻撃起点を消す戦術理解度の高さを証明した。
数字で読む
試合のスタッツが両チームの差を如実に示している。
- シュート数:コモ・ライプツィヒともに14本と同数だった
- 期待得点(xG):コモ 2.30、ライプツィヒ 1.42
- コモのGKジャン・ビュテは3セーブを記録(xGC=1.42)
- ライプツィヒのGKマールテン・ファンデフールトは2セーブ(xGC=2.30)
シュート数では互角だったものの、期待得点ではコモが大きく上回り、実際のゴールチャンスの質においてコモが圧倒したことが数字で証明されている。ライプツィヒはこの試合を含む直近2試合で計7失点を喫しており、守備の崩壊が深刻な問題として浮上している。
編集部の見解
コモの躍進は「お試し」や「まぐれ」では決してない。ファブレガス監督が構築したチームは、選手個々の技術と戦術規律が高いレベルで融合しており、格上とされる相手にも臆することなく自分たちのサッカーを貫いた。今回の試合でもっとも印象的だったのはスコアの大きさではなく、試合を通じてペースを失わなかったコモの精神的強さだ。ライプツィヒが1点を返した直後もパニックになることなく、90分に追加点で締めくくった。
ファブレガスという「かつてアーセナルで育ち、バルセロナでキャリアを積んだ元選手」が率いるクラブが、シニガーリアという小さなスタジアムでチャンピオンズリーグを制するサッカーを演じている事実はヨーロッパ全土に衝撃を与えた。今季のコモはチャンピオンズリーグのダークホースとして本格的に注目すべきクラブだ。ライプツィヒは一方で、このパフォーマンスが続くようであれば早々にグループ突破の夢を諦めなければならなくなる。
今後の注目点
コモの次の欧州戦は、フェイエノールト(ロッテルダム)への遠征だ。ホームでこれだけの内容を示したコモが、アウェイの難しい環境でも同様の戦い方を貫けるかどうかが第一の注目点となる。フェイエノールトはオランダリーグの強豪であり、より洗練された組織的なサッカーを展開するチームだ。コモの4-2-3-1が中盤の攻防で再び機能するかを見極めたい。
ライプツィヒは次節PSVとのアウェイ戦を控えている。2試合で7失点という守備崩壊をリセットできなければ、リーグフェーズ早期の脱落も現実味を帯びる。ンクンクら主力がどこまで状態を戻せるか、また4-4-2のシステム継続か変更かという監督の判断も注目点だ。コモにとってはチャンピオンズリーグの経験値を積み上げながら、国内セリエAとの過密日程をどう管理するかが今後のシーズン全体を左右する。
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