CLリーグフェーズ初戦のアリアンツ・アレナで、バイエルン・ミュンヘンが今季最初の欧州舞台を強烈な一撃で飾った。主役となったのは、健康上の問題から長期離脱を経てスターターへ復帰したジャマル・ムジアラだ。本稿では、この5ゴールの夜の全貌と戦術的背景を深掘りする。
バイエルン 5-0 ボードー/グリムト(CLリーグフェーズ第1節)

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見どころ: 長期欠場明けのムジアラが先発復帰。バイエルンがCL今季初戦でホームファンの前に本気の姿を見せた。
注目の対決: 復帰したムジアラがどの程度のパフォーマンスを発揮できるか、そして後半に加速するバイエルンの攻撃陣が試されるゲームとなった。
試合はバイエルンにとって第1節最大の山場——135分以上にわたるゴール欠乏を打ち破る一戦でもあった。前半はムジアラがハーフタイム直前にGKのニキタ・ハイキンを脅かしたものの、ヨシュア・キミッヒのロングシュートがポストを叩くなど、スコアレスのまま折り返した。ボードー側はハイキンが負傷でハーフタイムに退場し、バックアップGKのユリアン・ファイエ・ルンドを投入するという不運も重なった。
後半の幕開け77秒後、ムジアラがコーナーキックの流れからターンして右足を振り抜き、先制点を記録。バイエルンにとってCL通算900得点という節目でもあった。61分にはハリー・ケインがマイケル・オリーズの鋭いFKをヘッドで合わせ、CLで8試合連続ゴールを達成。77分にはアルフォンソ・デイヴィスがコーナーキックの跳ね返りを見事なハーフボレーで沈めて3点目。83分と90+2分にオリーズがいずれも単独の仕掛けからゴールを重ね、試合を締めた。ボードー側はオリーズへのファウルで退場者(オーディン・ビョルトゥフト)を出し、最後まで試合を通じて劣勢を強いられた(ESPN)。
戦術的考察

Werner100359 / Wikimedia Commons (CC0)
ヴァンサン・コンパニ監督の采配で特筆すべきは、この試合でムジアラ・ケイン・オリーズという攻撃的資産を前半からスタメン起用した点だ。前半こそリズムを作り切れなかったが、後半のギア変換は見事だった。特にオリーズの役割が際立っている。左右どちらのポジションからでも縦突破とインカット双方を駆使でき、今節は自身2ゴールに加えてケインのヘッドを演出する正確なFK供給も行った。ムジアラは後退まで74分間という短い時間ながら、ターンからのシュートという「狭いスペースでも仕事ができる」特性を示した。
また、ルイス・ディアスが先発起用されペナルティエリアへの侵入でPK獲得に迫る場面もあったが、今節はオリーズとムジアラの連携に比べると存在感は限定的だった。バイエルンの攻撃がオリーズ中心に再設計されつつある可能性を示唆する一夜となった。さらに、キミッヒのコーナー・フリーキック精度が得点の起点として機能しており、セットプレー設計力がチームの武器として確立されている点も今季の強みと言えるだろう。
数字で読む
- スコア:バイエルン 5-0 ボードー/グリムト
- 得点者:ムジアラ(47分)、ケイン(61分)、デイヴィス(77分)、オリーズ(83分・90+2分)
- バイエルンにとってCL通算900得点目がムジアラの先制弾だった
- ケインはCL8試合連続ゴールを達成
- オリーズは1試合2ゴールに加えてアシスト相当のFK供給
- バイエルンは前半0得点から後半5得点という爆発的な後半型の試合
- 今季ブンデスリーガ開幕節(対シュトゥットガルト)でも5-1と大勝しており、2試合で計10得点を記録している(ESPN)
- ブンデスリーガ開幕戦15年連続無敗という記録も継続中
編集部の見解
ムジアラの復帰が今季のバイエルンにとって、どれほど決定的な意味を持つかをこの試合は明示した。プレシーズンの倒れ込む映像が脳裏に焼き付いているだけに、後半キックオフ77秒という異次元の速さでゴールを決めたシーンのインパクトは大きい。彼がピッチに立てるという事実だけで、バイエルンの攻撃の選択肢は劇的に広がる。
一方で、ケインのCL8試合連続ゴールはバロンドール候補としての主張を強力に裏付けるものだ。しかも今節の得点はFK流れのヘッドという形で、個人技に依存しない「チームの中で機能するストライカー」としての完成度を示している。オリーズは今やエースの役割を担いつつあり、バイエルンはムジアラ・ケイン・オリーズという三枚の核が揃った今が間違いなく今季最強の状態だ。CLでの連続大勝は相手の強度が上がれば試練を迎えるが、この破壊的な攻撃陣を止めうるチームはリーグフェーズに多くはない。
今後の注目点
第一に注目すべきはムジアラの出場管理だ。欠場明け直後の先発で74分間プレーしており、今後の連戦でどう起用されるか——先発継続か、またはローテーションを挟むか——コンパニの判断が試される。第二に、ケインのバロンドール争いがより鮮明になる。CL8試合連続ゴールというスタッツは候補として議論の的になることは必至で、今後のリーグフェーズでも結果を積み上げられるかが焦点だ。第三に、オリーズが今季のバイエルンで「第二のエース」として定着するかどうか。ブンデスリーガ開幕戦での先発ゴール、今節2ゴールと、ここまで一貫した結果を出している。次節以降も継続してスタメンに名を連ねるようであれば、攻撃の設計図の中心人物として確定したと見ていいだろう。
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