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マンチェスター・シティ、115件の財務規則違反で有罪評決——CEOソリアーノが欧州クラブ幹部に徹底抗戦宣言

2026.09.29

プレミアリーグのフットボール界を揺るがす史上最大級の法的紛争が、いよいよ新たな局面を迎えた。マンチェスター・シティが115件の財務規則違反の大多数について有罪とする評決が下ったことが明らかになり、クラブのCEOフェラン・ソリアーノとチェアマンのハルドゥーン・アル・ムバラクが相次いで公式のコメントを発表。同時に、他のプレミアリーグクラブが補償を求めて法的助言を求めていることも伝わってきており、この問題がリーグ全体を巻き込んだ長期戦に発展することは避けられない情勢だ。


ソリアーノCEO、欧州クラブ首脳陣に徹底抗戦を宣言

コペンハーゲンで開催された欧州フットボールクラブ(旧ECA)の理事会の席上、マンチェスター・シティのCEOフェラン・ソリアーノは欧州各クラブの首脳陣に対して、きわめて挑発的なメッセージを送った。プレス・アソシエーションの報道によると、同氏はその場で「ここに至るまで8年かかった。これからさらにずっと長い時間がかかる」と言い放ち、クラブが引き続きこの問題を争い続ける姿勢を鮮明にした。その後、ソリアーノは集まっていたメディアからの一切の質問に答えることなく会議室を後にしている。(BBC Sport)

この会議にはマンチェスター・ユナイテッドの国際フットボール関係責任者ジャン=クロード・ブランや、エバートンのオーナーとしてではなくローマのオーナーとして出席していたダン・フリードキンなど、複数のクラブ幹部が顔を揃えていた。ソリアーノの強気の姿勢は、シティ側が評決を到底受け入れる気がなく、法的闘争を継続するという意思表示にほかならない。(BBC Sport)


チェアマン・アル・ムバラクのサポーターへの書簡

ソリアーノのコペンハーゲンでの発言に先立ち、チェアマンのハルドゥーン・アル・ムバラクはサポーターに向けた書簡を公表し、クラブの無罪を証明できるという確信を改めて表明した。(Sky Sports)

アル・ムバラクは書簡の中で「プレミアリーグの手続きはまだ長い道のりがあり、クラブの無罪を証明するという我々の確信と意志は、この問題が始まった当初と同じくらい強固だ」と述べた。続けて「皆さんが我々の立場をよりよく理解できるよう共有したいことが数多くあるが、法的手続きの厳格な守秘義務と、それを尊重するという我々の決意から、今はそれができない。この書簡でさえ、守秘義務に準拠しているかどうかを確認するために複数の法的チェックを受けた」とも語っている。(BBC Sport)

シティはまた公式声明として「プレミアリーグのプロセスは継続中であり、完了すべき重要な段階が残っており、厳格な守秘義務の下にある」との見解を示している。


他クラブが法的助言を求め、制裁の行方は不明

今回の評決を受け、プレミアリーグの複数クラブが、シティの財務規則違反によって被った損害に対する補償を求めて法的助言を得ようとしていることが伝わっている。(ESPN)

シティに対してどのような制裁が科されるかはいまだ発表されていないが、考えられる処分としてはポイント剥奪、トップリーグからの除名、あるいは多額の制裁金が挙げられている。ただしシティがこの評決に対して控訴する意向であることも明らかになっており、最終的な決着までにはさらに長い時間が必要となる見込みだ。(BBC Sport)


元GKジョー・ハートは「チェアマンを信じる」

元マンチェスター・シティのGKで、クラブで通算348試合に出場したジョー・ハートは、BBC Radio 5 Liveの番組「Monday Night Club」に出演し、チェアマン・アル・ムバラクへの強い信頼感を示した。

「みんながあらゆる方向から議論しているのは聞こえている。でも正直に言えば、ハルドゥーンを信じない理由が私にはない。彼の言葉だけで十分だ」とハートは語った。また自分が積み上げてきたものが汚されるという感覚は「全くない」とも述べた。「マンシティが有罪であると判断されたとき——私はそうは思わないが、ハルドゥーンが言ったことを基に——話し合うべきことがあるだろう。でも今この瞬間、私はとても自信を持っていて、とても冷静だ」(BBC Sport)


戦術的考察

今回の問題は純粋にピッチ外の法的問題ではあるが、マンチェスター・シティのフットボール面への波及効果は計り知れない。もしポイント剥奪という制裁が実行された場合、シーズン中の順位に直接影響が及ぶ。より深刻なのは除名処分のシナリオだが、これは控訴手続きを含めれば現実的には数年単位の話になる。

一方で、クラブ内部の結束という意味では、ソリアーノの強硬姿勢とアル・ムバラクの書簡は一種の「内なる士気維持戦略」でもある。選手やコーチングスタッフが法的不確実性の中でパフォーマンスを維持するためには、フロントが明確なメッセージを発信し続けることが不可欠だ。この点では、「守秘義務を守りつつも自信を持っている」という一貫したコミュニケーション戦略は、クラブのガバナンスとして見れば合理的な選択といえる。

問題の核心は、シティが「スポンサー収入を水増しし、帳簿外の支払いで財務規制を回避した」と指摘されている点だ。これはUEFAのファイナンシャル・フェアプレー(FFP)ルールと同様の発想に基づくプレミアリーグ独自の規制に対する違反であり、仮に完全に有罪が確定すれば、フットボールクラブの財務ガバナンス全体に対する信頼性を問い直す大きな先例となる。


数字で読む

  • 115件:シティに対してプレミアリーグが提起した財務規則違反の容疑件数。そのうち大多数について有罪評決が下ったとされる
  • 8年:プレミアリーグの調査が開始されたのは2018年。CEOソリアーノ自身が言及した期間
  • 2012年:ソリアーノがシティのCEOに就任した年
  • 348試合:元GKジョー・ハートがシティで出場した公式戦の数(2006〜2016年)
  • 75回:ハートがイングランド代表としてプレーした試合数

シティは調査が始まった2018年以降の数シーズンで複数のリーグタイトルを獲得している。他クラブが補償を求める法的動きに出ているという事実は、財務規制の「違反によって競争上の不当な優位を得た」という主張が具体的な法的請求として現実化しつつあることを示している。この補償請求の規模は今後さらに注目すべき数字となる。


編集部の見解

ソリアーノが「さらにずっと長い時間がかかる」と公言したのは単なる強がりではない。これはシティが徹底した法的闘争を戦い抜くという意志の宣言であり、プレミアリーグ側もそれを覚悟しなければならない。欧州のクラブ首脳陣が集う会議の場でこれを言い放ち、記者の質問には一切応じずに退場するという行動は、メディアコントロールとしても計算された振る舞いだ。

問題はプレミアリーグ側にとっても単純ではない。制裁の内容——特にポイント剥奪や除名——はリーグの競技的公平性を守るためには必要だが、一方でシティが控訴した場合、制裁の執行が延期される可能性もある。つまりシーズンが進行する中で「有罪評決はあるが制裁はまだ」という宙ぶらりんな状態が続くシナリオが現実的で、これはリーグの権威そのものを傷つける。

他クラブが法的補償請求に向けて動き出していることも重大だ。これは「プレミアリーグ vs シティ」という構図から、「プレミアリーグ各クラブ vs シティ」という多方向の法的紛争に発展する予兆であり、解決はさらに遠のく。アル・ムバラクの書簡は「無罪を証明できる」という確信を繰り返しているが、その根拠は一切明かされていない。守秘義務を理由にした沈黙は法的には理解できるが、フットボールの世界における信頼の問題はそれだけでは解消されない。シティはピッチ上での戦いと並行して、法廷での長期戦に備えるべきだ。


今後の注目点

制裁の発表時期が最初の焦点となる。有罪評決が出た以上、プレミアリーグはポイント剥奪・制裁金・除名といった処分のいずれかを示さなければならないが、シティの控訴が即座に執行を停止させる場合、シーズン残りの順位争いに直接影響するかどうかが焦点になる。

次に他クラブによる補償請求の具体化が注目点だ。どのクラブがどの規模の請求を行うのかが明らかになれば、問題の経済的な規模感がより明確になる。

さらにヨーロッパの影響も看過できない。今回ソリアーノが徹底抗戦を宣言した場がECAの会議であったことは象徴的で、UEFA側がこの問題をどう評価し、欧州大会への参加資格問題と紐づけるかどうかも今後の重要な観察点だ。

控訴手続きを経た最終判決の時期についても、ソリアーノ自身が「さらに長い時間がかかる」と認めている以上、今シーズン中に完全決着するとは考えにくい。プレミアリーグ史上最大の法的紛争は、まだ序章が終わったに過ぎない。


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編集長 · 戦術担当