移籍市場に激震が走った。ファブリツィオ・ロマーノが「ここ行き!(here we go)」を宣言し、モハメド・モハメド・サラーのトルコ1部トラブゾンスポルへの移籍が合意に達したことが確認された。リバプールのアンドニ・アンドニ・イラオラ監督体制において存在感が揺らいでいたモハメド・サラーの移籍は、プレミアリーグ全体に大きな波紋を呼んでいる。2017年のロマからの加入以来、クラブの黄金時代を牽引してきたエジプト人ストライカーが、新天地を求めてアンフィールドを去ることになった。
モハメド・モハメド・サラー トラブゾンスポル移籍

TheSportsDB / Mohamed Salah
移籍の経緯: ロマーノが「ここ行き!」でトラブゾンスポルとの合意を確認。クラブ側も合意を公式に認めた。
背景: モハメド・サラーとリバプールの関係は近年悪化していた。アルネ・スロット前監督時代にベンチに置かれたことへの不満を公にぶつけた場面が大きな物議を醸し、ジェイミー・カラガーに「リバプール移籍前はチェルシーで失敗した選手」と痛烈に批判される事態に発展。その後もクラブとの関係修復はままならなかった。
リバプールとの歩み: Football365によれば、モハメド・サラーは2017年にリバプールがロマから3430万ポンドで獲得。以来8年間にわたってチームの象徴として活躍し、クラブに複数のタイトルをもたらした(Football365)。
リバプールの去就: アンドニ・イラオラ監督率いる現リバプールは、モハメド・サラー退団後の布陣構築という大きな課題を突きつけられることになる。
戦術的考察

senolsengul at Pixabay / Wikimedia Commons (CC0)
モハメド・サラーがリバプールにもたらした戦術的価値は計り知れない。右ウイングに固定されながらも内側へのカットインとフィニッシュを組み合わせた得点パターンは、相手ディフェンスにとって長年の脅威であり続けた。幅を取りながらチャンネルランを繰り返す動きはチームの前進を支え、逆足の左足シュートの精度は世界屈指だった。
トラブゾンスポルにとっては、こうした個の質を持つ選手を獲得することで、トルコ・スュペル・リギの上位争いはもちろん、欧州大会でも一定の存在感を示す狙いがあるとみられる。ただし、プレミアリーグの高強度サッカーを前提に磨かれたスタイルが、異なるリーグのペースや戦術文脈でどれだけ機能するかは未知数だ。
一方のリバプールは、アルネ・スロット前体制が残した課題の上に、さらにモハメド・サラーというチームの核を失う形となった。右サイドのカバーと得点力の両立は、アンドニ・イラオラ監督にとってシーズン序盤の最優先課題となる。
数字で読む
ソースが示すデータは衝撃的だ。モハメド・サラーが加入した2017年夏以降のプレミアリーグ成績(319試合)において、リバプールはマンチェスター・シティよりも敗北数が少ない(シティ45敗、リバプール43敗)。それでも勝点差は52ポイントに達しており、これはリバプールの引き分け数(70)がシティ(41)を大幅に上回ることが要因だ(Football365)。
この8年間でリバプールが積み上げた688ポイントは、アーセナル(599)やチェルシー(550)、マンチェスター・ユナイテッド(547)を大きく凌駕しており、モハメド・サラーが在籍した時代がリバプール現代史における黄金期であることを数字が如実に示している。また、ロマからの獲得額がわずか3430万ポンドであったことを踏まえれば、クラブが得た投資対効果は歴史的水準といえる。
編集部の見解
このモハメド・サラー移籍は、単なる選手一人の去就を超えた歴史的な転換点だ。2017年以降のリバプールを統計的に支えてきた最重要選手の離脱は、クラブが新監督アンドニ・イラオラのもとで構築しようとしている新時代と完全に決別することを意味する。
問題の本質はモハメド・サラーの去就ではなく、クラブがなぜここまで関係を修復できなかったかにある。ベンチ起用に対する公の反発は、モハメド・サラーが「チームのため」より「自分のポジション確保」を優先していたという見方を強め、カラガーのような元選手でさえ批判に回った。それでも、ピッチ上の貢献においてモハメド・サラーを責める者はほとんどいない。去り方の問題であって、偉大さへの疑問ではないのだ。
イラオラ体制は今こそ、モハメド・サラーに依存しないリバプールの設計図を描かなければならない。前線の再編成なくして、来季のプレミアリーグおよびチャンピオンズリーグ制覇はあり得ない。
今後の注目点
最大の焦点は、リバプールがモハメド・サラーの後継者をどう確保するかだ。右ウイングとして同等の得点+アシスト能力を持つ選手の市場はけっして広くなく、獲得競争は熾烈になる。夏の移籍ウィンドウは残りわずかであり、アンドニ・イラオラ監督とフロントの対応速度が問われる。
一方のモハメド・サラーについては、トラブゾンスポルでの適応がどれほど速いかが焦点になる。トルコリーグのペースとプレミアリーグの差を考えると、序盤から圧倒的な数字を残す可能性は十分ある。欧州大会でモハメド・サラーがどう輝くかも注目だ。
また、リバプールが首位争いから脱落するようなことがあれば、「モハメド・サラー放出は失策だった」という批判が噴出するのは必至だ。ガブリエウ・マガリャンエス級の批判を受けないためにも、即戦力補強でモハメド・サラー不在を感じさせない戦いを見せられるかどうか——それが、イラオラ政権の真価を試す最初の試練となる。
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