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ファーディナンドがカリックの守備起用に異論―ユナイテッド開幕3戦で6失点の危機

2026.09.08

マンチェスター・ユナイテッドが今季プレミアリーグ開幕3試合で1勝1分1敗という滑り出しを喫するなか、守備陣の脆弱さが深刻な問題として浮上している。エバートン戦でのドローを受け、クラブOBのリオ・ファーディナンドとゲイリー・ネビルが相次いで警鐘を鳴らした。両者が指摘するのは、開幕3試合で6失点という守備崩壊とマイケル・カリック監督の選手起用判断だ。

マンチェスター・ユナイテッド vs エバートン ドロー後の波紋

Rio Ferdinand
Rio Ferdinand
TheSportsDB / Rio Ferdinand

見どころ: エバートン戦でドローに終わったユナイテッドの守備問題が各方面から批判を集めている。

守備陣の現状: ディオゴ・ダロト、ハリー・マグワイア、リサンドロ・マルティネス、ルーク・ショーの4バックが今季の主力とされているが、3試合で6失点という数字が問題の深刻さを物語る。

注目の論点: レジェンドOBがカリック監督の守備的選手の起用法に対して公の場で異論を唱えたことで、クラブ内の課題が表面化した。

ユナイテッドの伝説的センターバック、リオ・ファーディナンドは自身のYouTubeチャンネル「Rio Presents」で、カリック監督の選手起用に真っ向から異論を唱えた。焦点は若手DFアイデン・ヘブンの扱いだ。「ヘブンは今すぐプレーできると思う。だが監督は自分の判断で今いるメンバーを使いたいのだろう。それでも私は、あのふたり(ヨロとヘブン)のどちらかを常にバックラインに置くべきだと思う。このレベルでの対応速度のために」とファーディナンドは語った。同様にチームが獲得したロラ・ヨロについても、「期待していたよりも成長のペースが遅い。ポテンシャルはまだ開花するとは思うが、想定より時間がかかっている」と率直な見解を示した。なお、ソースによればマティス・デ・リフトは現在負傷離脱中であり、カリック監督が使えるセンターバックは5選手いるとファーディナンドは述べている。(Football365)

一方のゲイリー・ネビルも自身のポッドキャストで「ユナイテッドは1試合2失点のペースで点を取られている。ユナイテッドの観点からすれば、これは絶対に許容できない数字だ」と断言。さらに「この失点癖は解消されないと思う。それが私の大きな懸念だ。失点問題がこのままシーズン全体についてまわることになるだろう」と強い言葉で警告を発した。ネビルはまた、エバートン戦でルーク・ショーとダロトが終盤5分で交代させられたことにも言及し、「なぜ2人を終盤に下げたのか理解できない。同じことが2試合で起きている」と首を傾げた。(Football365)

カリック監督の自信とコビー・メイヌーへの期待

Michael Carrick
Michael Carrick
TheSportsDB / Michael Carrick

エバートン戦の前にカリック監督はメディアに対し、今季のタイトル争い参加に自信を示していた。「チームとしての正しい力学、バランス、そして最高の選手たちを組み合わせられれば、必ずそこに届ける自信がある」と語った監督は、「投資額が大きければいいとは限らない」とも付け加え、夏の補強が他のビッグシックスに比べて限定的であった点への批判に真っ向から反論した。(Football365)

中盤での明るい話題はコビー・メイヌーの成長だ。カリック監督は「コビーは今季も素晴らしいシーズンを送れる。彼は本当に戻ってきた。パーソナリティも、成熟のスピードも目覚ましい。ハングリー精神があって、常に上を求めている」と高く評価した。「昨季後半から驚くほど成長し、先週(イプスウィッチ戦)のプレーでも彼のゲームのさまざまな側面がいかに進化しているかが見えた」と続け、チームの核として期待を寄せている。(Football365)

戦術的考察

カリック監督が現行の4バック――ダロト、マグワイア、マルティネス、ショー――を基本としている理由は理解できる。経験値という面では申し分なく、戦術的な理解度も高い組み合わせだ。しかしファーディナンドが指摘する「スピードの欠如」は本質的な問題を突いている。

プレミアリーグでは裏抜けへの対応速度が守備の生命線であり、スピードに劣るセンターバックコンビはハイラインを敷くことも難しく、結果としてブロックを低くせざるを得なくなる。そうなると中盤のプレスが機能せず、守備の連動性が崩れる。

ヘブンやヨロのような機動力のある若手をバックラインに組み込むことで、守備ブロック全体の重心を上げられる可能性がある。ただしカリック監督がそれに踏み切れない背景には、若手の経験不足に対するリスク管理があるとも読める。ショーとダロトを終盤に交代させる采配についても、疲労管理なのか戦術的交代なのかが不明瞭なままでは、守備の安定感をさらに損なう要因になりかねない。メイヌーを中盤の中心に据えつつ守備ラインの人選を最適化することが、今季のカリック体制における最大の課題だ。

数字で読む

今季プレミアリーグ開幕3試合で6失点というペースは、1試合あたり平均2失点に相当する。ゲイリー・ネビルが「ユナイテッドでは絶対に許容できない数字」と評したこの数値は、タイトル争いを本気で目指すクラブとしては致命的なレートだ。

カリック監督が今夏に行った中盤補強の総額は1億5000万ポンドとソースには記されており(カルロス・バレバ、アンドレイ・サントス、ユーリ・テレマンス)、攻撃・中盤への投資は積極的に行ったことがうかがえる。一方で夏の移籍市場でディフェンダーの補強を行わなかった点が、ファーディナンドやネビルが問題視する守備崩壊の遠因となっている。

今季成績は1勝1分1敗、勝ち点4。ビッグシックスの中でタイトルを争うためにはこの守備のほころびを早急に塞がなければ、攻撃力がいかに高くても限界がある。

編集部の見解

リオ・ファーディナンドとゲイリー・ネビルという二人のレジェンドが、期せずして同じ問題を同時に指摘したという事実は重い。これは単なるOBの野次ではなく、ユナイテッドが今まさに直面している構造的欠陥への警告だ。

カリック監督が夏にディフェンダーを補強しなかった判断は、結果として間違いだった。1試合2失点のペースが続けば、いかにメイヌーが輝こうとも、いかに攻撃陣が得点を量産しようとも、タイトル争いからは早期に脱落する。

ヘブンを今すぐ起用すべきかという点については、ファーディナンドの主張に理がある。若手の経験不足を理由に経験豊富だが機動力に欠ける選手を使い続けるのは、問題を先送りにするだけだ。デ・リフトが復帰するまでの間、ヘブンにチャンスを与えてスピードと活力を守備ラインに注入するほうが、チームにとってリターンは大きい。カリック監督は今すぐ決断すべきだ。

今後の注目点

次の注目点は国際Aマッチウィーク明けの次節だ。カリック監督がヘブン起用に踏み切るかどうか、あるいは引き続きマグワイアとマルティネスのコンビを維持するのかが焦点になる。

デ・リフトの怪我の状態も重要だ。彼が戦列復帰すれば守備の選択肢が大きく広がるため、回復状況の続報を注視したい。

また、ルーク・ショーとダロトが終盤に繰り返しピッチを離れている点も引き続き気になる材料だ。疲労からの交代なのか、軽微な故障が影響しているのかが明らかになれば、今後のスタメン起用にも影響を与える。メイヌーがこのままコンスタントにパフォーマンスを維持し、守備陣が安定を取り戻せるかどうかで、今季のユナイテッドの命運が大きく左右される。


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編集長 · 戦術担当