試合の流れ
前半
ポートマン・ロードのアウェイチームが序盤から試合を支配した。アンドニ・イラオラ監督率いるリバプールは開始わずか6分、アレクサンダー・イサクが先制点を奪うと、その3分後の9分にも立て続けて2点目を記録。コーディ・ガクポの質の高い供給を受けたイサクが、前半9分の時点でブレースを完成させるというスピード感あふれる展開となった。
降格圏に沈むイプスウィッチは序盤の失点ショックから立ち直ろうと、徐々にプレッシャーをかける姿勢を見せた。守護神がリバプールの鋭いカウンターに晒される場面もあったが、ガリー・オニール監督のチームは2点ビハインドのまま前半を折り返すこととなった。前半だけで勝負の大勢は決したと言っても過言ではない45分間だった。
後半
後半に入るとイプスウィッチが反撃を試みる場面が増え、スタジアムに活気が戻る時間帯もあった。しかしリバプールは落ち着いた試合運びで2点のリードを守り続け、追加点を許す場面はなかった。
アンドニ・イラオラ監督は後半、今夏PSGから1億2300万ポンドで獲得したブラッドリー・バルコラをベンチから送り出し、プレミアリーグデビューを飾らせた。バルコラの投入は今後の戦力として期待を高めるものだったが、この夜のヒーローはあくまでもイサクだった。リバプールはそのまま2-0で試合を締め、3試合で勝ち点5に到達した。
戦術分析
リバプールの狙いと実行
イラオラ監督はボーンマス時代に構築してきた高強度プレッシングと縦への速さをリバプールにも落とし込んでいる。この日最も効果的だったのが、コーディ・ガクポを起点にした左サイドの崩しとアレクサンダー・イサクへの縦パス供給だ。ガクポとイサクのコンビネーションは鋭く、イプスウィッチの守備ラインが整う前に2ゴールを奪いきる形を作り上げた。
ソースからの懸念事項として、エスプンのスティーブ・ニコールは「リバプールはカウンターアタックへの守備対応を改善する必要がある」と指摘している。右ウイング・右サイドバック・セントラルミッドフィールダーの補強が未完のまま臨んだ一戦だっただけに、試合運びに課題も見え隠れしていた。バルコラの加入は右ウイングの穴を埋める一手になり得るが、他のポジションの補強が待たれる状況は続いている。
イプスウィッチの狙いと実行
ガリー・オニール監督のイプスウィッチは昇格クラブとしてコンパクトな守備ブロックを敷き、カウンターで活路を見出そうとしていた。しかし前半9分という早い段階で2点差をつけられたことで、プランの修正を余儀なくされた。前半の序盤こそ守備の整備が追いつかずに連続失点を許したが、落ち着きを取り戻してからは粘り強く戦い、後半にはリバプールゴールに迫る場面も見せた。ただ最後まで無得点にとどまり、開幕から2連敗となった。
次節はクリスタル・パレスとのアウェイ戦が控えており、反発力が問われる。
ターニングポイント
前半6〜9分:イサクの電光石火ブレース
試合を決定づけたのは、開始6分と9分の怒涛の連続ゴールだ。ガクポが供給し、イサクが仕留めるという同一パターンで2点を奪ったリバプールは、試合序盤で勝負の大局を掌握した。昇格クラブのイプスウィッチにとって、開始10分での2失点は取り返しのつかない心理的ダメージを与えた。わずか3分間のうちにゲームプランそのものを変更させられた点が、最大のターニングポイントだった。
後半:バルコラのデビュー投入
勝負が決した後の采配ではあるが、1億2300万ポンドのバルコラをピッチに送り込んだことはリバプールファンへのメッセージとして意味を持つ。即効性よりも今後への期待感を演出した交代策であり、チームとしてのポテンシャルが底上げされたことを示した。
選手評価
アレクサンダー・イサク(リバプール)
この夜最大のスター。前半9分という早い時間帯にガクポのアシストを2回活かしてブレースを完成。鋭い動き出しとフィニッシュの精度は際立っており、リバプールの中心として堂々たる存在感を放った。
コーディ・ガクポ(リバプール)
両ゴールのアシストを記録し、試合を通じて「excellent(優秀)」との評価を受けた。サイドと中央を巧みに使い分け、イプスウィッチ守備陣に的を絞らせなかった。
ブラッドリー・バルコラ(リバプール)
後半途中からプレミアリーグデビュー。1億2300万ポンドの期待を背負い、この日は限られた出場時間での顔見せとなった。今後の本格起用に注目が集まる。
ガリー・オニール(イプスウィッチ監督)
序盤の2失点は痛かったが、チームは精神的に立ち直り、後半に見せた粘り強さはポジティブな材料だ。昇格クラブとして試練の序盤戦が続くが、次節クリスタル・パレス戦での立て直しが急務となる。
この結果が意味するもの
リバプールは3試合で勝ち点5(1勝2分)とし、上位争いへの足がかりを作った。アンドニ・イラオラ監督は就任後ようやく初白星を手にし、チャンピオンズリーグ第1節(アトレティコ・マドリー戦、ホーム)に向けて弾みをつけた。一方、イプスウィッチは開幕から2連敗(勝ち点3は引き分け1試合のみ)となり、残留に向けた緊急の立て直しが必要な状況だ。移籍市場での補強が完全に整っていないリバプールが、今後どこまでコンテンダーとして戦えるかは、バルコラをはじめとする新戦力の融合速度にかかっている。
情報源