2026年8月15日、マンチェスター・ユナイテッドはポーランドのヴロツワフでAC Milanとのプレシーズン最終フレンドリーに臨み、2-4の敗北を喫した。マイケル・キャリック監督体制で迎えたこの試合には、マーカス・ラッシュフォードドやコビー・メイヌー、リサンドロ・マルティネスといった主力が復帰した一方、ファンが最も注目するストライカー、ベンジャミン・セスコは欠場。来週にはプレミアリーグ開幕戦が控えており、チームの準備状況が問われる重要な一戦となった。
マンチェスター・ユナイテッド 2-4 AC Milan(プレシーズン最終戦・ヴロツワフ)

TheSportsDB / Benjamin Siegrist
見どころ:ラッシュフォード・メイヌー・マルティネスのプレシーズン初出場と、旧指揮官ルベン・アモリムとの”再会”
不在選手情報:ベンジャミン・セスコ、メイソン・マウント、カール・ダーロウが欠場
注目の対決:ラッシュフォードと古巣AC Milanの新指揮官アモリムの直接対決
試合はわずか2分足らずでハリー・マグワイアのヘディングがネットを揺らす最高のスタートを切ったが、ブルーノ・フェルナンデスのPKがセーブされた後にSamuel Chukwuezzeに同点弾を許した。後半開始直後にパトリック・ドルグが再びリードを奪ったものの、終盤にGoncalo Ramos、Alphadjo Cisse、Ruben Loftus-Cheekが立て続けに得点し、アモリム率いるミランが逆転勝利を収めた。(The Standard)
後半30分からピッチに立ったラッシュフォードとメイヌーはいずれも久々の実戦復帰となったが、逆転ゴールを奪うには至らなかった。ラッシュフォードは2024年12月以来のユナイテッドでの出場で、昨季後半はアストン・ビラへのローン移籍、さらにバルセロナへの移籍が見込まれていたが実現せず、ユナイテッドに残留している状況だ。(BBC Sport)
セスコ欠場の理由と今後の影響

Werner100359 / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)
今回の最終プレシーズン戦にセスコが帯同しなかった最大の理由は、クラブが慎重な調整プログラムを選択したためだ。ポーランドへの遠征には同行せず、アイルランドのカウンティ・キルデアでのトレーニングキャンプに残った組(セスコ、カール・ダーロウ、Matthijs de Ligтら)は、カーリントンに戻ってシーズン開幕に向けた準備を続けることになった。(BBC Sport)
この決定は、£73.7mという多額の移籍金で加入した22歳のストライカーを、不必要なリスクにさらすことなく開幕戦に万全の状態で送り出したいというクラブの意向を反映している。マウントも同様に欠場しており、PSG戦での予防的交代から引き続き回復中だ。(The Standard)
キャリック監督は復帰組のコンディション管理について慎重な姿勢を示しており、「ラッシュフォード、マルティネス、メイヌーはほんの数日前に合流したばかりで完全な状態ではないが、週末には起用できる」と語っていた。プレシーズンを通じた出場時間の調整が、開幕週での起用法にも直接反映される。
戦術的考察
今回のAC Milan戦でキャリック体制の現状が明確になった。前半は2トップないし1トップ気味の配置でビルドアップを試みたものの、2度リードを奪いながら終盤に3失点を許す守備の脆弱性が露呈した。特に後半の守備崩壊は、主力が一気に入れ替わる時間帯にチームとしての組織的守備が機能しなかったことを示している。
セスコが欠場していたことで、ユナイテッドの前線は試合を通じてJoshua ZirkzeeやAmadなど若手・サブ組が担う形となった。セスコが本番で先発した場合の前線の構成がいまだ見えていないことも、戦術的な課題として残る。マルティネスは復帰後に試合出場をこなしており、最終ラインの強化が図られているが、中盤からのトランジションの速さでミランに後手を踏む場面が目立った。
ラッシュフォード、メイヌー、マルティネスという3枚のカードが揃ったことで、キャリック監督は開幕戦での選択肢が広がった。ただし、3人ともプレシーズンでの実戦時間はわずかであり、いきなりフル出場させることへのリスクは変わらない。特にマルティネスはフェブラリーに大がかりな膝の手術を受けており、クラブはパフォーマンスチームのスタッフが代表合流中も帯同するなど、段階的な復帰を徹底している。
数字で読む
- 移籍金:セスコはこの夏に£73.7m(約130億円相当)でユナイテッドに加入した22歳のストライカー
- ラッシュフォードの空白期間:2024年12月以来、ユナイテッドでの試合出場がなく、今回AC Milan戦が実に1年半以上ぶりの実戦となった(後半30分から出場)
- 試合結果の詳細:ハリー・マグワイア(前半開始2分以内)、パトリック・ドルグ(後半直後)がそれぞれ得点。ミランはGoncalo Ramos、Alphadjo Cisse、Ruben Loftus-Cheekが終盤に決めて4-2で逃げ切り
- セスコの欠場:プレシーズンのACミラン戦を含め、試合出場機会なしでプレミアリーグ開幕を迎えることになる
- マルティネスの離脱期間:2026年2月に大規模な膝手術を受け、長期離脱から復帰途上。アヤックスから加入した2022年以降、長期離脱を複数回経験している
これらの数字が物語るのは、ユナイテッドが今プレシーズン、主力の多くが十分な実戦準備を積めないまま開幕を迎えるという事実だ。
編集部の見解
今回の2-4敗戦は単なる”プレシーズンの結果”として流し見してはならない。ミランに2度のリードを逆転されたという事実は、キャリック体制における守備組織の構築がいまだ道半ばであることを如実に示している。特に深刻なのは、セスコがプレシーズンを通じて試合出場ゼロのまま来週のハル・シティ戦(プレミアリーグ開幕)に臨む点だ。£73.7mを投じた看板ストライカーが、実戦勘ゼロでリーグ初戦に出場することになる。
ラッシュフォードの復帰は明るい材料だが、1年以上の実戦ブランクを持つ選手に開幕から継続的な活躍を求めるのは酷だ。マウントも引き続き欠場しており、中盤のオプションにも制限が残る。プレシーズンで明らかになった課題を、開幕後の短期間でどう解決するか。キャリックの手腕が真に問われるのはここからだ。
今後の注目点
最大の焦点は8月22日のプレミアリーグ開幕戦、ハル・シティ戦だ。セスコがぶっつけ本番で先発するのか、それともサブからスタートするのかは、キャリック監督の最初の重大な決断となる。£73.7mの投資を開幕から全力稼働させる積極策を取るか、コンディションを優先して徐々に起用する慎重策を選ぶか、その判断がシーズン序盤の流れを決定づける。
また、ラッシュフォードの去就問題も引き続き注視が必要だ。キャリック監督はダブリンでの取材で「ラッシュフォードがユナイテッドに残留する」と断言することを避けており、移籍市場が閉まる前に動きがある可能性は残っている。マルティネスについては、クラブ公認のパフォーマンスチームスタッフが代表活動中も帯同するという異例の対応が取られており、開幕スタメンに間に合うかどうかが守備陣の安定に直結する。マウントの回復状況と合わせ、今後数日のトレーニング状況が開幕スタメンの鍵を握る。
情報源
- Man Utd play down severity of Sesko injury – BBC Sport
- Manchester United vs AC Milan LIVE: Friendly result, latest updates and fan reaction – The Standard
- Man Utd trio set for return as Michael Carrick names squad for AC Milan – The Standard
- Rashford returns for Man Utd’s Poland trip to face AC Milan – BBC Sport
