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スコールズ激白:ライス外しの3理由、W杯コンゴ戦でアンダーソン先発を主張

2026.07.03

2026年W杯のラウンド32、イングランド対DR Congo戦(水曜日)を前に、マンチェスター・ユナイテッドの伝説的MFポール・スコールズが中盤の人選をめぐって踏み込んだ発言をした。スコールズはデクラン・ライスに代えてエリオット・アンダーソンの先発起用をトーマス・トゥヘル監督に進言。その理由として挙げたのが、アーセナルでの戦術的役割がイングランド代表にまで「伝染」しているという独自の見立てだ。プレミアリーグを長年見続けてきた名手の視点から発せられた言葉は、イングランドサポーターの間で大きな議論を呼んでいる。

ポール・スコールズのライス外し論:3つの根拠

Paul Scholes
Paul Scholes
TheSportsDB / Paul Scholes

焦点となる選手: デクラン・ライス(アーセナル)vs エリオット・アンダーソン(マンチェスター・シティ移籍予定)

背景: ライスはコンゴ戦前の時点でパナマ戦を軽傷のため欠場し、コンゴ戦への復帰が見込まれている。一方、パナマ戦ではジュード・ベリンガムとアンダーソンの組み合わせが機能したとされる。

スコールズはポッドキャスト「The Good, The Bad & The Football」でトゥヘルに対しアンダーソンの先発継続を訴えた。その論拠は3点にまとめられる。(Football365)

第一の理由:「2枚のシッティングMFは不要」

スコールズはライスとアンダーソンを並べると守備的MFが2枚並ぶ構成になると指摘。DR Congoのような相手に対しては「できる限り多くのアタッカーを起用すべき」というのが彼の持論だ。

第二の理由:「アンダーソンのほうが前に刺す」

スコールズによればアンダーソンは「より前方にパスを差し込む」傾向があり、攻撃の推進力として機能する。縦への鋭さという点でライスより上だという評価だ。

第三の理由:「アーセナルのスタイルがイングランドに悪影響を与えている」

これが最も踏み込んだ主張だ。スコールズは「アーセナルは昨シーズンも素晴らしいサッカーをしていたわけではない。ライスはマルティン・マルティン・ウーデゴールをゲームに入れられなかった。それが代表にも持ち越されている可能性がある。アンダーソンならそうはならないと思う」と語った。

一方、スコールズのポッドキャスト共演者ニッキー・バットは異なる意見を示した。バットもライス単独の先発から変更すべきという点は同意しながらも、ライスを残してアンダーソンを外すべきとの立場を取った。「守備的MFを2枚並べてはいけない」という点では両者の認識は一致している。

イングランド全体の大会評価

Thomas Tuchel
Thomas Tuchel
TheSportsDB / Thomas Tuchel

スコールズはパナマ戦の勝利についても率直に語った。「良くなかった。3試合を通じて見ても、W杯を制するチームのレベルに達しているとは思えない。フランスやアルゼンチンのレベルにはまだ届いていない」と断言した。一方で「試合を決められる選手はいる。勝ちながら成長できるかもしれない」という留保も付けている。

戦術的考察

スコールズの主張は中盤の「バランスとダイナミズム」という問題提起として非常に本質的だ。ライスはアーセナルで深い位置からゲームをコントロールするアンカー的役割を担っており、縦への推進よりも横幅の確保と守備ブロック形成に比重が置かれる。それがマルティン・ウーデゴールをゲームから外してしまうという批判はアーセナルのサポーターの間でも根強い議論だった。

代表においてもその傾向が出ているとスコールズが見ているのは興味深い。アンダーソンはマンチェスター・シティへの移籍が取り沙汰されており、より前方志向のプレースタイルを持つとされる。ベリンガムが「8番」として高い位置を取るイングランドの攻撃的志向とは、縦パスを積極的に刺せるアンダーソンの方が噛み合うという論理だ。

ただし、ライスが持つリーダーシップと試合の「閉め方」の能力は軽視できない。リードしている場面でのゲーム管理、セットプレー守備での存在感は数字に表れにくいが明確な価値がある。スコールズの提言はあくまで「DR Congoのような格下相手にリスクを取ってでも攻撃的に戦え」という状況判断に基づくものであり、対フランス・アルゼンチン級の試合では同じ結論にはならないだろう。

数字で読む

ソースから確認できる範囲で整理すると、イングランドはグループステージ3試合を戦い、ノックアウトステージに駒を進めた。パナマ戦でアンダーソンはベリンガムとの中盤コンビとして起用され、一定の評価を得た。ライスはこのパナマ戦を軽傷により欠場し、コンゴ戦への復帰が見込まれている状況だ。

スコールズが「素晴らしいサッカーではなかった」と表現するアーセナルが昨シーズンのプレミアリーグを制したという事実も重要な文脈だ。タイトルを獲得しながらもスコールズの目には「エンターテイニングではなかった」と映っており(アーセナルのPL優勝について別のタイミングで発言している)、そのシステムの申し子とも言えるライスへの評価の低さと一致する。

スコールズが「フランスやアルゼンチンのレベルに届いていない」と評価したことは、イングランドのW杯制覇可能性についての厳しい見立てと受け取れる。

編集部の見解

スコールズの発言は、単なる選手論ではなくアーセナルのサッカー哲学そのものへの批評として読むべきだ。ライスは世界最高峰のMFのひとりだが、スコールズが指摘する「縦に刺さない」傾向は確かに実在する問題意識であり、代表でも議論になりうる点だ。ただし、スコールズの主張には過度なアーセナル批判が混入しており、純粋に戦術的な観点を超えた感情的バイアスも否定できない。

トゥヘルが取るべき正解は、ライスを完全に外すことではなく「アンダーソンとライスの両立」を試みることだ。2人を同時に起用するのではなく、例えばライスをアンカーに1枚置きつつ、ベリンガムをより自由な位置で使う3センター的な変形を取ることで、両選手の長所を生かせる。スコールズ自身が「どちらかを選べ」という二者択一的思考で議論しているが、現代フットボールの戦術的柔軟性を考えればその前提自体を疑うべきだ。

いずれにせよ、DR Congo戦でのスターティング11はトゥヘルの哲学と度胸を測る試金石となる。

今後の注目点

最も近い注目ポイントは水曜日のイングランド対DR Congo戦だ。トゥヘルが実際にライスをスタメンに戻すのか、それともスコールズの提言通りアンダーソンを継続起用するのか、発表されるスタメンが今後の議論の核心となる。

中期的には、ベスト16以降でフランスやアルゼンチンといった強豪と対戦する可能性があり、スコールズ自身が「あのレベルにはまだ届いていない」と認めたイングランドがどこまで成長できるかが問われる。ライスの起用法はその試金石になる。

また、アンダーソンはW杯でのパフォーマンス次第でマンチェスター・シティへの移籍価値にも影響する。大舞台で輝くことができれば、プレミアリーグ復帰後の序列争いでも有利な立ち位置を確保できる。スコールズが「現時点での先発」として推すアンダーソンの今大会のパフォーマンスは、今後のキャリアを占う上でも極めて重要な局面だ。


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編集部 Editorial

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編集長 · 戦術担当